こんにちは、とびうお(@tobiuo89098360)です。
素敵な中古住宅が見つかり、申込みをしようかと悩んでいる方!
その申込み、ちょっと待ってください。
万が一、不具合が見つかったときにあなたを守る「契約不適合責任」を担当者に確認しましたか!?
契約不適合責任とは?
契約不適合責任とは、あなたが購入した住宅の【種類】【品質】【数量】が契約通りでなかったときに、売主さんがあなたに対して負う責任のこと。
契約時に知らされていなかった不具合など(種類、品質、数量の違い)が見つかったときに、以下4つの要求ができます。
- 追完請求(補修しろ!)
- 代金減額請求(金額下げろ!)
- 損害賠償請求(慰謝料払え!)
- 契約解除(もう契約やめるからお金返せ!)
不動産で考えると少し難しいので、野菜の宅配サービスを例に考えてみます。
あなたは玉ねぎを5個持ってきてもらうように依頼しました。
種類の違い
間違ってネギを5本持ってきた場合。
契約内容に対して【種類】が違うとして、
「ネギは必要としていない、当然お金は払わない!」
「お客さんに提供する予定の玉ねぎ料理が出せない、慰謝料を払って!」
などの主張をすることができるわけです。
種類の違い
玉ねぎ5個を持ってきたが、1個が腐っていた。
契約内容に対して【品質】が違うとして、
「腐った玉ねぎは食べられない、違うものを持ってきて!」
「腐っていた1個分のお金は支払わない!」
などの主張をすることができるわけです。
数量の違い
依頼を受けた会社が間違って玉ねぎ4個しか持ってこなかった場合。
契約内容に対して【数量】が足りないとして、
「足りない1個を持ってきて!」
「1個足りないのだからその分金額を下げて!」
などの主張をすることができるわけです。
「ん、当たり前のことではないのか!?」
と思われた方も多いのではないでしょうか!?
そうなんです。
いまの時代にあった、ルール改正が約120年ぶりに行われました。
2020年4月に民法が改正されたわけです。
120年前というと伊藤博文が総理大臣のときですから、時代背景にそぐわない随分前のルールに縛られていたわけです。
それまでは「瑕疵担保責任」という名称の売主責任があり、売主が不具合や欠陥を知らなければ責任の追求ができませんでした。
契約不適合責任は消費者であるあなた(購入者)をより守ってくれるルールにアップデートされたわけです。
2017年に行われた消費者アンケート「中古住宅購入後のトラブル」によると、中古住宅購入後にトラブルがあったと答えた人は全体の17.5%もいたそうです。
申し込み時に何を確認するのか?
売主が個人の場合、契約不適合責任が【無し】又は【責任を負う期間が短縮】されているケースがよくあります。
私の肌感覚にはなりますが、市場に出回っている物件の約8割は売主が個人。
意外にも不動産会社は売主ではなく、売主と買主の間に入って売買のお手伝いをする”仲介業務”を行っていることの方が多いのです。
ですから、希望する物件の申込みをするときににこう聞いてください。
契約不適合責任の期間はどのくらいですか?
聞かれた不動産営業マンは一気に緊張が走るでしょう。
私だったら「あ、この人は不動産売買を分かっている人だな」と思います。
売主さんは契約不適合責任を負えません。
責任を負わないこと自体は違法ではありませんが、このように言われた場合は以下のように交渉をしてみてください。
築年数が経過しており、住宅の主要構造部(柱、梁、床組など)と給排水管が不安です。
引渡し後1ヶ月間限定で構わないので契約不適合責任をお願いできませんか?
住宅の構造部分や水漏れがあとから見つかった場合は、想定外の費用として100万円単位でかかってくることもあります。
1ヶ月も期間があれば、リフォームを開始して不具合が確認できるでしょうし、雨が降ることで雨漏り箇所も確認できるでしょう。
どうしても売主が譲らない場合(一切の責任を負わない場合)
インスペクション(建物状況調査)を実施しましょう。
費用が50,000〜100,000円程度かかりますが、事前に住宅のプロ(建築士など)が第三者の立場で住宅点検を行うためより安心して購入の判断をすることができます。
要は、「住宅の健康診断」みたいなものです。
点検をすることで以下のメリットがあります。
- 安心して住宅を購入できる
- 劣化状況がわかる
- 補修するべき箇所がわかる
- 改修のタイミングがわかる
ただし、注意点があります。
インスペクションは「非破壊検査」といって、壁や床を壊してまで内部を確認することはできません。
目視や機材による計測になるため、確実に問題点が全て洗い出されるというわけではない点には注意が必要です。
とは言え、住宅のコンディション情報に乏しい買主がよく理解しないまま買うよりも、一度点検してもらった方が安心して購入の判断ができますのでおすすめです。
インスペクションの主な調査事項はこちら
実際に起こったトラブル事例
壁を剥がすと下地の木材が腐食していた【契約不適合責任ありのケース】
築25年の木造中古住宅を購入したお客様から、こんな電話がありました。
購入した家のリフォームに入り、壁を剥がすと下地の木材が腐っていましたよ。
リフォーム会社さんが言うには雨水の浸入が原因とのことで追加工事代で50万円かかると言われました。
売主さんに費用負担をお願いできますか?
この契約は、「契約不適合責任を引渡し後1ヶ月負う」内容の契約でした。
売主さんは知らなかったとは言え、契約に適合しない事象が発覚したため、売主さんには一部費用負担をしていただき、解決に導くことができました。
なお、この売買ではインスペクション(建物状況調査)は行われておりませんでした。
水漏れが発覚!原因は水道管の凍結【契約不適合責任なしのケース】
築20年の木造中古住宅(当時、空き家)を購入したお客様からの相談です。
水道代が高すぎると思い、業者さんに確認してもらったところ、
水道管の凍結が原因で水漏れが発生していると言われました。
費用負担のご相談ができますか?
この契約は空き家期間が長かったこともあり、売主さんの意向で「契約不適合責任は無し(免責)」という契約でした。
想定外の費用であったため、なかなか納得はされませんでしたが、当時の契約内容をもう一度説明し渋々承諾。
残念ながら、水道管の交換費用は全て買主さんの費用負担となりました。
当時はインスペクション(建物状況調査)があまり知られておらず、買主さんが建物の状況をしっかりと把握することが困難でした。
おわりに
事例を見てもらうとわかるように、契約不適合責任が有るのと無いのとでは不動産売買のリスク割合に大きな差が発生します。
初めて住宅を内覧した人が、建物の状態を自分で理解するなど不可能です。
これは私たち不動産営業マンが見たところで、一発で把握することはできません。
住宅の申し込み時に「契約不適合責任」について確認を怠った場合、初めて知るのが売買契約のときになります。
売買契約時に、営業担当者が分かりやすく説明してくれるかどうかは不明。
売主さんも契約に同席している可能性もあります。
その場の空気に流され、内容を理解せず有耶無耶な状態で契約してしまう方も多いと思います。
中古住宅の売買では本当に大切なことなので必ず確認をしてください。
申し込み時のたった一つの確認でトラブルを未然に防ぐことができますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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