こんにちは、とびうお(@tobiuo89098360)です。
2021年7月、競売でマンションを落札したことを記事にしました。
その続編として、今回は「落札から販売までを行った裏側」を大公開していきます。
「人はいないのに、ゴミだけは大量にある」
「競売物件のゴミの処分ってたしか面倒だったよな…」
「強制執行ってどうやってするんだろう」
そんな面倒だけど面白い、思い入れのある物件の話です。
落札から成約までの流れ
落札 編
2021年4月、競売マンション(分譲マンションの1室)を落札。
およそ、2〜3週間後に裁判所から「売却許可決定」の連絡が入る。
あなたが一番高く落札し、売却の許可がおりました!
という通知。
確実に購入できる状況になったため、この連絡があって一安心。
それから約1週間後に裁判所から「代金納付期限通知書」が届く。
「入札時に払った保証金を除いた残額をすべて支払ってください!」
という内容。
ここで注意点!!
指定された期限内に確実に入金しなければ売却許可が取り消されるだけでなく、入札時に支払った保証金も返ってこない。
競売入札時にローンを組む方は急いで金融機関と打ち合わせをし、融資実行をしてもらいましょう。
支払い期限は、代金納付期限通知書が手元に届いてから約1ヶ月以内となります。
代金納付期限通知書を持って、いよいよ占有者(滞納者)と立退の交渉を行います。
引き渡し命令 編
今回のマンションは、3点セット(事前にわかる競売物件情報)やマンション管理人の情報で既に夜逃げ済み(空室)であることがわかっていた。
※3点セットの詳細は過去記事をご覧ください。
したがって、立退交渉は必要ない。
というか、相手がいないので交渉ができない。
「住人がいないなら、マンションの所有者になったんだし、すぐに入れるよね」
と思った方も多いはず。
しかし、夜逃げ物件はここからが地味で面倒…
先ほどの残代金を1ヶ月以内に支払うと晴れて所有者となることができた。
ここから、強制執行(強制退去)の手続きに進む。
まずは、「引き渡し命令の申し立て」
引き渡し命令とは、読んで字のごとく
「あなたのものではないので物件を引き渡しなさい!」
という裁判所からの命令。
この命令を相手方に送りつける。
1週間以内であれば、相手方も不服申し立て(反対意見)ができるそうだが、今回のお相手は夜逃げをしていることから所在不明で返事もなかった。
相手方が居座っているケースでは、この時点で出て行ってくれるケースが多い。
強制執行 編
1週間経っても返事がなかったため、次は強制執行に向けた地味な手続き。
まずは、裁判所の執行官と補助人と鍵屋さんと「催告」に行く。
インターフォンを押しても、もちろん返事はなし。
こうなると、鍵屋さんが強制的に解錠。
ものの10分ほどで玄関の鍵を解除し、いざ室内へ。
この時は、本当に不安でドキドキしました。
「もし、人が亡くなっていたらどうしようか…」
「想定よりゴミが増えていたらどうしよう…」
そんな思いで扉を開くと室内はゴミだらけ。
そしてさっきまで人がいたかのような生活感。
電気も止められているので冷蔵庫から異臭がする。
中を開けると、気圧の変化なのか卵が爆発し、ハエが舞った!
夏の暑い日だったこともあり、異臭が部屋中に広がって気分が悪くなったのを鮮明に覚えている。
電気が止まった冷蔵庫を開ける時は十分ご注意を。
私が部屋中をウロウロしている間に、執行官はリビングの壁に張り紙をしていた。
シンプルで強烈!!
催告はこれにて終了。
相手方から連絡が入ることはなく、3週間が経過。
ついに強制執行の日を迎えた。
この日も、執行官・補助人・鍵屋さんが立ち会い、強制的に鍵を開けて室内へ。
人が立ち入った様子はなく前回と同じ、若干臭いゴミ屋敷状態。
強制的に追い出す相手がいないため、10分程度で確認作業は終わり、残った荷物やゴミや家財は一時的に現場保管(部屋の中)となった。
「え、、、残った家具家電やゴミを買い取らないといけないの??」
と思い焦った。
しかし、現場で相手方の荷物を保管させてあげている保管料(5万円)と残置した荷物の買取費用(5万円)を相殺することができ、実質費用負担はなかった。
これでやっと残った荷物を処分することができる。
残地物処分 編
残された荷物はたくさんあった。
冷蔵庫、洗濯機、TV、ソファ、ベッド、漫画、ブランド時計、タブレット、机、ゴルフセット、お酒、業務用のレトルト食品などなど。
普通に。いやむしろ少し贅沢に生活できるレベルの荷物が残されていた。
ゴミ処分業者に見積もりを取ると、50万円近いバカ高い見積もりが複数社から出てきた。
そこで少しでも荷物を減らしながら売れるものは売ろうと思い出張買取業者に見積もりを依頼した。
いままで何度か競売や買取物件でお世話になっていたが、出張買取は本当に助かる。
持ち出すと重くて大変な家具、捨てるとリサイクル料でお金を取られる家電を持ち帰ってくれるだけでなくお金をくれる。
ほとんどタダみたいな金額で買い取られるものもあるが荷物が減るだけでありがたい。
今回のマンションでは残った家具家電などを27,000円で売却することができた。
出張買取で荷物が減った結果、残ったゴミの処分代は30万円ほどで済んだ。
ちなみに、ゴミ処分の期間に余裕のある方は、メルカリ出品がオススメです。
出品や梱包、発送に手間がかかる分高値で売却することができます。
ゴミだと思っていた山の中からお宝が見つかる可能性もあり楽しいですよ。
リフォーム 編
ゴミが無くなり床や壁全体を見わたすと意外にも状態が良いマンションであることがわかった。
ゴミが多かっただけで意外と綺麗に使われていた。
今回実施した主なリフォーム内容は以下の通り。
- 電気温水器交換
- 壁紙全面張り替え
- 畳表替え
- 全室照明取替え
- 水洗交換
- ウォシュレット取替え
- IHクッキングヒーター取替え
- ハウスクリーニング
総額130万円くらいで予算内に納めることができた。
マンションによっては、大規模に300万円〜400万円かけて部屋中を一新する場合もある。
しかし、今回のマンションは築15年とそこそこ新しくコンディションもよかったため、過剰な投資をせずに済んだ。
壊れた設備や汚れが落ちない設備を変え、表面を綺麗に仕上げるだけでも相当印象は変わる。
なお、マンションは築15年の4LDK、約85㎡です。
販売開始 編
狙い通り。
表面を全て綺麗に仕上げていたため販売開始からたくさんの問い合わせがあり、即申し込みが入った。
販売開始後、2週間で無事に売買契約を結ぶことができました。
収支計算(超ざっくり)
販売価格 | 2400万円 |
落札価格(諸経費含む) | ▲1600万円 |
強制執行関係費用 | ▲10万円 |
リフォーム代 | ▲130万円 |
その他・維持費 | ▲50万円 |
ざっくり利益 | 610万円 |
最終的なざっくり利益は610万円。
地味で面倒な作業が多い代わりに十分な利益も見込めます。
おわりに
競売マンション1室の落札から成約までを赤裸々に紹介してきました。
物件によっては、交渉の結果1ヶ月ですんなり綺麗に出て行ってくれる人もいれば、立退費用を負担すると言っても居座り続ける困った人など物件によって千差万別。
競売物件は購入判断までに室内をじっくりと見れないだけでなく所有者と会って話すこともできません。
だからこそ、物件の価値をリサーチする力・観察力・交渉力・決断力が身につき人として成長することができます。
これから「競売物件を仕入れてみよう」「売り上げを立てるために競売にチャレンジしてみよう」
そんな方のお役に立てれば幸いです。
なお、不動産業界に興味を持った方は、宅建Jobエージェントがオススメ。
不動産業界に特化した転職サイトだからこそ、より自分の価値観にあった不動産会社を見つけやすいです。
今回は、「マイホーム取得に関わる知識武装」とは全く関係なかったです。笑
たまにこういうマニアックな記事も執筆していきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
にほんブログ村ランキング・人気ブログランキング参加しています!
「いいね」と思ったら↓↓↓クリックお願いします!
コメント